引っ越しをして住む家が変わった場合、必ず、市町村役場で住所変更手続きを行わなければなりません。

住む市町村が変わらない場合は「転居届」を届け出ることになりますが、住む市町村が変わる場合には、今まで住んでいた市町村に「転出届」を届け出て、新しく住む市町村に「転入届」を届け出ることになります。

この住所変更手続きについて、一つ気をつけて頂きたいことがあります。

それは、転居届(または転入届)は「引越しをした日から14日以内に届け出なければならない」と法律で定められていて、この期限を守らなかった場合は「5万円以下の過料に処せられる」こともありますので、必ず期限を守って届け出るようにしましょう。

転居届を届け出る際には、①印鑑、②国民健康保険証(加入者のみ)が必要になりますので、忘れずに持っていきましょう。

引っ越しにおける住所変更(転居届・登記)手続きについて
不動産を所有しているあなたが引っ越しして住所が変わる場合、忘れずに不動産の住所変更登記も行いましょう。

これは『名義人住所変更』という登記手続きで、法務局で手続きを行います。

市町村役場とは別の行政機関になりますので、市町村役場で住所変更手続きを行ったからといっても、市町村役場が法務局に「住所変更がありました」と連絡をすることはありませんので、両方に住所変更の手続きを行わないといけません。

名義人住所変更の登記手続きには、新しい住所の住民票や戸籍の附表などが必要になりますので、必ず、市町村役場に『転居届』を届け出て住所変更手続き終えてから、法務局で住所変更の登記手続きを行いましょう。

登記申請は、司法書士などの専門家に依頼することもできますし、法務局にて相談しながら申請を行うこともできます。

また、法務局のサイトから登記申請書がダウンロード可能ですので、その書類に必要事項を記載し、必要な書類を添付したうえで、法務局で直接申請することも郵送で申請することもできます。

詳しくは、最寄りの法務局にご相談のうえ行いましょう。

引越し前に転居届を届け出たら違法になる?

転居届は、“引越しをした日から14日以内に届け出なければならない”と、届出期間が法律で定められています。

それを個人の都合で、引越しする前の日付で届け出た場合は、虚偽の届出行為で違法となります。

これは「公正証書原本不実記載罪」という犯罪行為にあたり、「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」の刑罰となってしまいます。

刑罰ということは「前科」がついてしまいますので、市町村役場は「引越日までは把握できないだろう」と安易な気持ちで引っ越し前に届け出て、後々痛い目にあうことになりかねませんので、届け出の際はくれぐれもご注意ください。

住宅ローンと転居届の関係

新しく住宅を購入したり建築したりする場合、ほぼ全員の方が『住宅ローン』を組まれるはずです。

今回はその住宅ローンの申し込みに必要な書類と引っ越し、転居届についてお話いたします。

住宅ローン手続きの必要書類の中に『住民票』があります。

この住民票は、今住んでいる住所の住民票ではなく、購入などして新しく住む住宅の住所の住民票になります。

これは、住宅ローンに借入れするご本人が住む家なので低い利率で融資を行うという目的があり、そのため、借入実行時にはそのご本人が住んでいなければいけないという決まりになっているからです。

転居届は「引越しをした日から14日以内に届け出なければならない」という行政上のルールと、借入実行時には「本人がそこに住んでいなければいけない」という融資側のルールで、「家を買うためにはローンを組まないといけない、転居届をだすためには引っ越さなければいけない」という矛盾にはさまり悩んでしまいますが、ここは役所が事情を十分に理解したうえで、引越しをしていなくても転居届を暗黙に認めているようです。

本来であれば、行政上のルールと融資側のルールの矛盾を解消していただくことが、一番良い解決策なのですが。